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キムリア点滴静注

販売名
キムリア点滴静注
薬価
1患者当たり 32647761.00円
製造メーカー
ノバルティス ファーマ

添付文書情報2023年08月改定(第8版)

商品情報

薬効分類名
その他の組織細胞機能用医薬品
一般名
チサゲンレクルユーセル
警告
1.本品は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血幹細胞移植及び造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持ち、かつ製造販売業者による本品に関する必要な説明を受けた医師のもとで、本品の投与が適切と判断される症例についてのみ投与する。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始する。
2.重度サイトカイン放出症候群が現れ、死亡に至る例が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するサイトカイン放出症候群管理アルゴリズム等に従い、適切な処置を行う。
3.脳症等の重篤な神経系事象が現れることがあるので、観察を十分に行う。
禁忌・禁止
1.再使用禁止。
2.本品の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
3.原材料として用いる非動員末梢血単核球を採取した患者本人以外に投与しない。
効能・効果
1.再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(但し、次のいずれかの場合であって、CD19抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がない患者に限る:初発の患者では標準的な化学療法を2回以上施行したが緩解が得られない場合、再発の患者では化学療法を1回以上施行したが緩解が得られない場合、同種造血幹細胞移植の適応とならない又は同種造血幹細胞移植後に再発した場合)。
2.再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(但し、次のいずれかの場合であって、CD19抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がない、かつ、自家造血幹細胞移植の適応とならない又は自家造血幹細胞移植後に再発した患者に限る:初発の患者では化学療法を2回以上、再発の患者では再発後に化学療法を1回以上施行し、化学療法により完全奏効が得られなかった又は完全奏効が得られたが再発した場合、濾胞性リンパ腫が形質転換した患者では通算2回以上の化学療法を施行し、形質転換後には化学療法を1回以上施行したが、形質転換後の化学療法により完全奏効が得られなかった又は完全奏効が得られたが再発した場合)。
3.再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(但し、次の場合であって、CD19抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がない患者に限る:初発の患者では全身療法を2回以上、再発の患者では再発後に全身療法を1回以上施行し、全身療法により奏効が得られなかった又は奏効が得られたが再発した場合)。
<効能、効果又は性能に関連する使用上の注意>
1.再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病:
1).再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病の場合、25歳以下(投与時)の患者に使用する。
2).再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病の場合、フローサイトメトリー法又は免疫組織染色法等により検査を行い、CD19抗原が陽性であることが確認された患者に使用する。
3).再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病の場合、臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、添付文書の【臨床成績】の項の内容を熟知し、本品の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行う。
2.再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫:臨床試験に組み入れられた患者の組織型、前治療歴等について、添付文書の【臨床成績】の項の内容を熟知し、本品の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行う。
用法・用量
医療機関での白血球アフェレーシス~製造施設への輸送:
1.白血球アフェレーシス:十分量のTリンパ球を含む非動員末梢血単核球を採取する。
2.白血球アフェレーシス産物の凍結保存:採取後速やかに白血球アフェレーシス産物を調製し、液体窒素気相下又は-120℃以下で凍結保存する。
3.白血球アフェレーシス産物の輸送:凍結保存した白血球アフェレーシス産物を、梱包して本品製造施設へ輸送する。
医療機関での受入れ~投与:
4.本品の受領及び保存:凍結した状態で本品を受領し、使用直前まで液体窒素気相下又は-120℃以下で凍結保存する。
5.投与前の前処置:本品投与の2日前までに次のリンパ球除去化学療法を前処置として行う。前処置の化学療法の特性や患者の状態を考慮の上、前処置から本品投与までに必要な間隔を設定する。但し、本品の投与予定日前の1週間以内の末梢血白血球数が1000/μL未満等、患者の状態によりリンパ球除去化学療法を省略することができる。
1).再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病に用いる場合のリンパ球除去化学療法:
(1).シクロホスファミド(無水物として)500mg/㎡を1日1回2日間点滴静注及びフルダラビンリン酸エステル30mg/㎡を1日1回4日間点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(2).シクロホスファミドによるGrade4の出血性膀胱炎の既往がある、又はシクロホスファミドに抵抗性を示した患者には、シタラビン500mg/㎡を1日1回2日間点滴静注及びエトポシド150mg/㎡を1日1回3日間点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
2).再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫に用いる場合のリンパ球除去化学療法:
(1).シクロホスファミド(無水物として)250mg/㎡を1日1回3日間点滴静注及びフルダラビンリン酸エステル25mg/㎡を1日1回3日間点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(2).シクロホスファミドによるGrade4の出血性膀胱炎の既往がある、又はシクロホスファミドに抵抗性を示した患者には、ベンダムスチン塩酸塩90mg/㎡を1日1回2日間点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
GradeはCTCAE v.4.03に準じる。
6.本品の投与:投与直前に本品を解凍し、適応症に応じて次記のとおり単回静脈内投与する。なお、本品の再投与はしない。
1).再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病に用いる場合:25歳以下(投与時)の患者には、体重に応じて次の投与量を単回静脈内投与する。
(1).体重50kg以下の場合には、CAR発現生T細胞として0.2×10の6乗~5.0×10の6乗個/kg。
(2).体重50kg超の場合には、CAR発現生T細胞として0.1×10の8乗~2.5×10の8乗個(体重問わず)。
2).再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫に用いる場合:CAR発現生T細胞として0.6×10の8乗~6.0×10の8乗個(体重問わず)を単回静脈内投与する。
<用法及び用量又は使用方法に関連する使用上の注意>
患者の細胞採取から本品の投与に至るまでの一連の手順の詳細は、製造販売業者が提供するマニュアル等を参照する。
前処置:
1.移植細胞の生着促進等の目的で、DNA合成阻害作用等の殺細胞作用、あるいはリンパ球減少に伴う免疫抑制作用を有する化学療法剤を投与し、本品の投与を行う(臨床試験における前処置の実施については、添付文書の【臨床成績】の項を参照する)。
投与:
2.投与前に本品のラベルにより、本品静注用バッグの本人確認を行う。
3.本品投与前に、次のいずれかの状態が患者に認められた場合には、回復するまで本品の投与を延期する:前処置の化学療法による重篤な副作用が認められ回復していない(特に前処置の化学療法による重篤な肺障害が認められ回復していない、前処置の化学療法による重篤な心障害が認められ回復していない、前処置の化学療法による重篤な低血圧が認められ回復していない)場合、活動性感染症が認められた場合、急性移植片対宿主病(急性GVHD)又は広範囲な慢性移植片対宿主病(広範囲な慢性GVHD)が認められた場合、原疾患の臨床的意義のある悪化が認められた場合(前処置の化学療法後の原疾患の悪化を含む)。
4.本品投与時に発現するinfusion reaction(そう痒、発疹、発熱、悪寒、悪心、呼吸困難等)を軽減するため、本品投与の約30~60分前に、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤の前投与を行う(生命を脅かす緊急事態の場合を除き、副腎皮質ステロイド剤は使用しない)。また、アナフィラキシー等の投与に対する重度の事象が発現した場合に備え、救急措置の準備をしておく。特にサイトカイン放出症候群の緊急時に備えて、トシリズマブ(遺伝子組換え)の在庫を本品投与前に確保する。
5.凍結した本品静注用バッグが完全に融解するまで、37℃の恒温水槽又は乾式解凍機器等で解凍する(解凍後速やかに恒温水槽又は乾式解凍機器等から取り出す)。複数の静注用バッグを用いる場合、1つ目の静注用バッグの投与が完了するまでは、2つ目以降の静注用バッグは解凍しない。
6.本品中の細胞生存率を最大に保つため、解凍してから30分以内に静脈内投与を完了する。
7.本品(静注用バッグ)に損傷や漏れが認められた場合、本品を投与しない(各医療機関の手順に従って内容物を含む静注用バッグごと感染性物質として廃棄する)。
8.本品解凍後に細胞洗浄しない。また、静注用バッグの内容物をすべて投与する。
9.本品は、白血球除去フィルターを使わずラテックスフリーの点滴チューブで投与する。注入速度は約10~20mL/分とし、投与量や体重に応じて調節する。
10.本品の投与前に、生理食塩水にて点滴チューブをプライミングする。本品を全量投与した後、バックプライミングにより本品静注用バッグを生理食塩水10~30mLで洗浄し、できるだけ多くの細胞を投与する。
使用注意次の患者には慎重に適用する
1.B型肝炎ウイルスキャリア又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎又はC型肝炎既往感染者、HIV感染者[ウイルス再活性化又はウイルス増加する恐れがある]。
2.感染症を合併している患者[骨髄抑制等により感染症が増悪する恐れがある]。
重要な基本的注意
1.本品の使用にあたっては、疾病の治療における本品の必要性とともに、有効性及び安全性その他本品の適正な使用のために必要な事項について、患者又はその家族に文書をもって説明し、同意を得てから本品を使用する。
2.本品はヒト・動物由来の原材料を使用して製造されている。ヒト・動物由来の原材料については安全性確保のためウイルス試験等を実施しているが、ヒト・動物由来の原材料に起因する感染症伝播のリスクを完全には排除することはできないため、本品の使用に際しては臨床上の必要性を十分に検討する。
3.白血球アフェレーシスを実施する際には、当該白血球の使途等について患者又はその家族に文書をもって説明し、同意を得る。
4.サイトカイン放出症候群が現れることがあるので、本品の投与にあたっては、血液検査等を実施し、臨床症状(高熱、悪寒、筋肉痛、関節痛、悪心、嘔吐、下痢、発汗、発疹、食欲不振、疲労、頭痛、低血圧、呼吸困難、頻呼吸、低酸素症等)、心不全及び不整脈、腎不全、肝障害(AST増加、ALT増加、総ビリルビン増加等)の確認等、観察を十分に行う(緊急時に備えて、トシリズマブ(遺伝子組換え)の在庫を本品投与前に確保する)。
5.神経系事象が現れることがあるので、本品の投与にあたっては、臨床症状(脳症、譫妄、不安、浮動性眩暈、振戦、意識障害、失見当識、頭痛、錯乱、激越、痙攣発作、無言症、失語症等)の確認等、観察を十分に行う。
6.感染症が現れることがあるので、本品の投与にあたっては、臨床症状の確認等、観察を十分に行う。また、本品の投与前に活動性感染症が認められた場合は、感染症の治療を優先し、患者の状態が安定した後、本品を投与する。
7.本品投与後数週間以上にわたり、白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少、発熱性好中球減少等の骨髄抑制が現れ、死亡に至る例が報告されているので、本品の投与にあたっては、定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察する。
8.B型肝炎ウイルスキャリア又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎又はC型肝炎既往感染者において、肝炎ウイルス再活性化される可能性がある。HIV感染者においてはウイルス増加する可能性がある。白血球アフェレーシスを実施する前に肝炎ウイルス感染、HIV感染の有無を確認する。肝炎ウイルスキャリアの患者又は肝炎既往感染者に本品を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化やC型肝炎悪化の徴候や症状の発現に注意する。
9.腫瘍崩壊症候群が現れることがあるので、本品の投与にあたっては、血清中電解質濃度の測定及び腎機能検査を行うなど、観察を十分に行う。
10.意識変容、意識低下、協調運動障害等が現れることがあるので、本品投与後の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。
11.製品が規格を満たさない等の理由により、本品が提供されない可能性があることについて、事前に患者に対して説明する。
相互作用
併用注意:生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)[免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症する恐れがあるので併用しない(生ワクチン接種に対する反応が不明であり、病原性を現す可能性がある)]。
副作用
再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病患者を対象とした国際共同第2相試験において、本品が投与された75例中(日本人患者2例を含む)71例(95%)に副作用が認められた。主な副作用はサイトカイン放出症候群(77%)、低γグロブリン血症(39%)、発熱性好中球減少症(27%)、発熱、低血圧(各25%)、頻脈(24%)、脳症(21%)、食欲減退(20%)等であった(承認時までの集計)。
再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象とした国際共同第2相試験において、本品が投与された111例中(日本人患者5例を含む)99例(89%)に副作用が認められた。主な副作用はサイトカイン放出症候群(58%)、発熱(25%)、低血圧(21%)等であった(承認時までの集計)。
再発又は難治性の濾胞性リンパ腫患者を対象とした国際共同第2相試験において、本品が投与された97例中(日本人患者9例を含む)76例(78%)に副作用が認められた。
主な副作用はサイトカイン放出症候群(48%)、好中球減少症(21%)、貧血(13%)等であった(承認時までの集計)。
重大な副作用
1.重大な副作用:副作用の発現頻度(発現割合)は、再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病患者を対象とした国際共同第2相試験、再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象とした国際共同第2相試験、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫患者を対象とした国際共同第2相試験を併合した結果に基づき記載した。
1).サイトカイン放出症候群(60%):サイトカイン放出症候群が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、高熱、悪寒、筋肉痛、関節痛、悪心、嘔吐、下痢、発汗、発疹、食欲不振、疲労、頭痛、低血圧、呼吸困難、頻呼吸、低酸素症、臓器障害(心不全及び不整脈、腎不全、肝障害(AST増加、ALT増加、総ビリルビン増加等)を含む)等の異常が認められた場合には、製造販売業者が提供するサイトカイン放出症候群管理アルゴリズム等に従い、適切な処置を行う(また、サイトカイン放出症候群を発現した患者で播種性血管内凝固症候群、毛細血管漏出症候群、血球貪食症候群、マクロファージ活性化症候群、急性呼吸窮迫症候群等が報告されている)。
2).神経系事象:脳症(11%)等の神経系事象が現れることがあるので、頭痛、譫妄、不安、浮動性眩暈、振戦等の症状が現れた場合は、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
3).感染症(18%):細菌、真菌、あるいはウイルス等による重度感染症(敗血症、肺炎等)が現れることがあり、死亡に至った例が報告されており、また、発熱性好中球減少症が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、抗生物質の投与等の適切な処置を行う。更に、B型肝炎ウイルスキャリア又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎又はC型肝炎既往感染者、HIV感染者において、ウイルス再活性化又はウイルス増加による悪化が現れる可能性があるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、抗生物質の投与等の適切な処置を行う。
4).低γグロブリン血症(21%):B細胞無形成、低γグロブリン血症又は無γグロブリン血症が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置(免疫グロブリン補充療法を定期的に行う等)を行うとともに、感染症の徴候等に対する観察を十分に行う。
5).血球減少:本品投与後28日目までに回復しない重度好中球減少症(29%)、投与後28日目までに回復しない重度白血球減少症(26%)、投与後28日目までに回復しない重度リンパ球減少症(29%)、投与後28日目までに回復しない重度血小板減少症(30%)及び投与後28日目までに回復しない重度貧血(11%)が本品との因果関係を問わない臨床検査値異常として報告されているので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
6).腫瘍崩壊症候群(2%):腫瘍崩壊症候群が現れることがあるので、血清中電解質濃度の測定及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置(生理食塩水、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察する。
7).Infusion reaction(1%)、アナフィラキシー(頻度不明):Infusion reaction、アナフィラキシーが現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
2.その他の副作用:副作用の発現頻度(発現割合)は、再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病患者を対象とした国際共同第2相試験、再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象とした国際共同第2相試験、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫患者を対象とした国際共同第2相試験を併合した結果に基づき記載した。
1).良性、悪性及び詳細不明の新生物(嚢胞及びポリープを含む):(10%未満)腫瘍出血。
2).血液及びリンパ系障害:(10~20%未満)貧血、好中球減少症、発熱性好中球減少症、白血球数減少、好中球数減少、血小板数減少、(10%未満)血小板減少症、白血球減少症、リンパ球減少症、汎血球減少症、血球貪食性リンパ組織球症、凝血異常、リンパ球数減少、播種性血管内凝固。
3).免疫系障害:(頻度不明)移植片対宿主病。
4).代謝及び栄養障害:(10%未満)低カリウム血症、食欲減退、低リン血症、低マグネシウム血症、低カルシウム血症、低アルブミン血症、高血糖、低ナトリウム血症、血清フェリチン増加、高尿酸血症、高リン血症、高ナトリウム血症、水分過負荷。
5).精神障害:(10%未満)不安、睡眠障害、譫妄。
6).神経系障害:(10~20%未満)頭痛、(10%未満)浮動性眩暈、錯感覚、振戦、運動機能障害、痙攣発作、失語症、虚血性脳梗塞、脳出血、(頻度不明)神経痛。
7).眼障害:(10%未満)結膜出血、網膜出血。
8).心臓障害:(10~20%未満)頻脈、(10%未満)心不全、心房細動、心停止。
9).血管障害:(10~20%未満)低血圧、(10%未満)高血圧、毛細血管漏出症候群、(頻度不明)潮紅。
10).呼吸器系障害:(10%未満)咳嗽、呼吸困難、低酸素症、胸水、肺水腫、頻呼吸、咽頭出血、肺出血、(頻度不明)鼻出血。
11).胃腸障害:(10%未満)下痢、悪心、便秘、嘔吐、腹痛、口内炎、腹部膨満、口内乾燥、腹水、口腔内出血、肛門出血、胃腸出血、吐血、大腸出血、メレナ、口腔血性水疱。
12).肝胆道系障害:(10%未満)高ビリルビン血症。
13).皮膚及び皮下組織障害:(10%未満)発疹、斑状丘疹状皮疹、丘疹性皮疹、皮膚炎、そう痒性皮疹、皮膚そう痒症、寝汗、紅斑、多汗症、点状出血、皮膚血性水疱、紫斑。
14).筋骨格系障害:(10%未満)筋骨格痛、背部痛、骨痛、側腹部痛、筋骨格系胸痛、頚部痛、関節痛、筋肉痛。
15).腎及び尿路障害:(10%未満)急性腎障害、血尿、出血性膀胱炎。
16).全身障害:(10~20%未満)発熱、疲労、(10%未満)顔面浮腫、全身性浮腫、限局性浮腫、末梢性浮腫、末梢腫脹、四肢痛、悪寒、無力症、インフルエンザ様疾患、多臓器機能不全症候群、カテーテル留置部位出血、粘膜出血。
17).傷害、中毒及び処置合併症:(10%未満)挫傷、処置後出血、硬膜下血腫。
18).臨床検査:(10%未満)体重減少、血中クレアチニン増加、AST増加、ALT増加、Al-P増加、トランスアミナーゼ上昇、肝酵素上昇、血中ビリルビン増加、血中フィブリノゲン減少、国際標準比増加、フィブリンDダイマー増加、活性化部分トロンボプラスチン時間延長、プロトロンビン時間延長。
高齢者への適用
高齢者では一般に生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
妊婦・産婦・授乳婦及び小児等への適用
1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、原則として投与しないが、やむを得ず投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する(また、妊娠する可能性のある女性には、本品投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導する)。
2.授乳中の女性に投与する場合は、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討する。
3.B細胞性急性リンパ芽球性白血病については、低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫については、小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
その他の注意
1.本品による治療を受けた患者は、移植のために血液、臓器、組織及び細胞を提供しないよう指導する。
2.添付文書の【臨床成績】の項に示す臨床試験では、活動性の中枢神経系への浸潤(白血病又はリンパ腫)のある患者は対象から除外している。小児の再発又は難治性のB細胞性腫瘍患者を対象とした海外第2相試験(B2101J試験)では、4例の小児の再発又は難治性のB細胞性腫瘍で活動性中枢神経系浸潤を有する患者に本品を投与した結果、3例でサイトカイン放出症候群及び一過性中枢神経系事象が発現した。残りの1例は本品投与後に原疾患の進行により死亡した。
3.臨床試験において、本品投与後に悪性腫瘍の発現が報告されている(本品の投与後は長期間経過を観察する)。

1.再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病患者
CR/CRi患者における本品の細胞動態プロファイルは、投与後初期に急速に増殖して10日目付近で最大増殖(Cmax)を示した後、緩やかな二相性の低下を示した。
再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病患者に本品投与後の末梢血中CAR遺伝子レベルの治療効果別の経時推移(併合データ)

再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病患者に投与したときの治療効果別の細胞動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

2.再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者
CR患者における本品の細胞動態プロファイルは、投与後初期に急速に増殖して9日目付近でCmaxを示した後、緩やかな二相性の低下を示した。
再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に本品投与後の末梢血中CAR遺伝子レベルの治療効果別の経時推移

再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に投与したときの治療効果別の細胞動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

3.再発又は難治性の濾胞性リンパ腫患者
CR/PR患者における本品の細胞動態プロファイルは、投与後初期に急速に増殖して10日目付近でCmaxを示した後、緩やかな二相性の低下を示した。
再発又は難治性の濾胞性リンパ腫患者に本品投与後の末梢血中CAR遺伝子レベルの治療効果別の経時推移

再発又は難治性の濾胞性リンパ腫患者に投与したときの治療効果別の細胞動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

1.再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病を対象とした国際共同第II相試験(非盲検非対照試験)
3歳(スクリーニング時)~21歳以下(B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B‐ALL)の初回診断時)の再発又は難治性のB‐ALL患者を対象に、本品の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照国際共同第II相試験を実施した。
再発又は難治性のB‐ALL患者として、次の①~⑤のいずれかに該当する患者が組み入れられた。
なお、悪性腫瘍(白血病)の活動性の中枢神経系浸潤のある患者及び髄外単独病変の再発のある患者は除外された。
①2回以上の骨髄再発が認められた、②同種造血幹細胞移植(以下、「HSCT」という)後に骨髄再発し、本品投与時点で同種HSCTから6カ月以上経過している、③同種HSCTの適応がない、④標準の化学療法レジメンを2サイクル受けた後でも寛解を達成しないと定義される初発難治性、又は再発した白血病に対して標準の化学療法を1サイクル受けた後でも寛解を達成しないと定義される化学療法難治性、⑤フィラデルフィア染色体陽性の患者の場合には、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)不耐又は禁忌、2種類以上のTKIを受けても奏効が得られない。
本品の用法及び用量又は使用方法は、体重50kg以下の場合には目標用量2.0×10の6乗~5.0×10の6乗個/kg(許容用量:0.2×10の6乗~5.0×10の6乗個/kg)、体重50kg超の場合には目標用量1.0×10の8乗~2.5×10の8乗個(許容用量:0.1×10の8乗~2.5×10の8乗個)を単回静脈内投与することとされた。
(1)前処置の化学療法(リンパ球除去化学療法)
投与前の前処置として次の化学療法剤を用いた(ただし、本品投与前の1週間以内の白血球数が1,000/μL以下の場合には不要とした)。化学療法の完了から本品投与までに2~14日の間隔を設けた。なお、患者の状態により適宜減量した。
・フルダラビンリン酸エステル(30mg/m2を1日1回、計4日静注)、及びシクロホスファミド[(無水物として)500mg/m2を1日1回、計2日静注。シクロホスファミドの投与は最初のフルダラビンリン酸エステル投与と同時に開始する。]
シクロホスファミドによるGrade 4の出血性膀胱炎の既往がある場合、又はシクロホスファミドを含むレジメンに対して化学療法抵抗性であった場合は、次のレジメンを使用した。
・シタラビン(500mg/m2を1日1回、計2日静注)及びエトポシド(150mg/m2を1日1回、計3日静注。エトポシドの投与は最初のシタラビン投与と同時に開始する。)
(2)国際共同第II相試験の臨床成績
主要評価項目とされた全寛解率(完全寛解(CR)又は血球数回復が不十分な完全寛解(CRi))[98.9%信頼区間]は、82.0%[64.5%、93.3%]であった。
登録された92例注)中11例は、本試験で設定した規格を満たした製品を提供できなかった。
注)本試験の適格性基準を満たし、かつ、アフェレーシス産物が製造のための受入基準を満たした例数。
2.再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象とした国際共同第II相試験(非盲検非対照試験)
18歳以上の再発又は難治性の成人びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者を対象に、本品の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照国際共同第II相試験を実施した。
再発又は難治性のDLBCLとして、次の①又は②のいずれかに該当し、かつ自家造血幹細胞移植施行後に再発した又は自家造血幹細胞移植の適応とならない患者が組み入れられた。なお、悪性腫瘍(リンパ腫)の活動性の中枢神経系浸潤のある患者は除外された。
①2つ以上の化学療法歴(リツキシマブ(遺伝子組換え)及びアントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤を含む)がある患者、②濾胞性リンパ腫がDLBCLに組織学的形質転換した患者で、濾胞性リンパ腫に対する化学療法から通算して2つ以上かつ形質転換してから少なくとも1つ以上の化学療法歴(リツキシマブ(遺伝子組換え)及びアントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤を含む)がある患者
本品の用法及び用量又は使用方法は、目標用量5.0×10の8乗個(許容用量:1.0×10の8乗~5.0×10の8乗個)を単回静脈内投与することとされた。
(1)前処置の化学療法(リンパ球除去化学療法)
投与前の前処置として次の化学療法剤を用いた(ただし、本品投与前の1週間以内の白血球数が1,000/μL以下の場合には不要とした)。化学療法の完了から本品投与までに2~14日の間隔を設けた。なお、患者の状態により適宜減量した。
・フルダラビンリン酸エステル(25mg/m2を1日1回、計3日静注)、及びシクロホスファミド[(無水物として)250mg/m2を1日1回、計3日静注。シクロホスファミドの投与は最初のフルダラビンリン酸エステル投与と同時に開始する。]
シクロホスファミドによるGrade 4の出血性膀胱炎の既往がある場合、又は、シクロホスファミドを含むレジメンに対して化学療法抵抗性の場合は、次のレジメンを使用した。
・ベンダムスチン塩酸塩90mg/m2を1日1回、計2日静注
(2)国際共同第II相試験の臨床成績
主要評価項目とされた奏効率(完全奏効(CR)又は部分奏効(PR))[99.06%信頼区間]は、58.8%[39.8%、76.1%]であった。
登録された165例注)中24例は、本試験で設定した規格を満たした製品を提供できなかった。
注)本試験の適格性基準を満たし、かつ、アフェレーシス産物が製造のための受入基準を満たした例数。
3.再発又は難治性の濾胞性リンパ腫を対象とした国際共同第II相試験(非盲検非対照試験)
18歳以上の再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(FL)患者を対象に、本品の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照国際共同第II相試験を実施した。
再発又は難治性のFL(グレード1、2、3A)として、次の①~③のいずれかに該当する患者が組み入れられた。なお、悪性腫瘍(リンパ腫)の活動性の中枢神経系浸潤のある患者は除外された。
①二次治療以降の全身療法(抗CD20抗体及びアルキル化剤を含む)で難治性となった、又は二次治療以降の全身療法終了後6カ月以内に再発した患者、②抗CD20抗体による維持療法(①の2ライン以上の治療終了後)の実施中又は終了後6カ月以内に再発した患者、③自家造血幹細胞移植後に再発した患者
本品の用法及び用量又は使用方法は、推奨用量0.6×10の8乗~6.0×10の8乗個を単回静脈内投与することとされた。
(1)前処置の化学療法(リンパ球除去化学療法)
投与前の前処置として次の化学療法剤を用いた[ただし、重度の血球減少症(白血球数が1,000/μL未満、リンパ球絶対数が200/μL未満など)の場合には不要とした]。化学療法の完了から本品投与までに2~6日の間隔を設けた。
・フルダラビンリン酸エステル(25mg/m2を1日1回、計3日静注)、及びシクロホスファミド[(無水物として)250mg/m2を1日1回、計3日静注。シクロホスファミドの投与は最初のフルダラビンリン酸エステル投与と同時に開始する。]
シクロホスファミドによるGrade 4の出血性膀胱炎の既往がある場合、又は、シクロホスファミドを含むレジメンに対して化学療法抵抗性の場合は、次のレジメンを使用した。
・ベンダムスチン塩酸塩90mg/m2を1日1回、計2日静注
(2)国際共同第II相試験の臨床成績
主要評価項目とされた完全奏効率[99.5%信頼区間]は、65.4%[45.1%、82.4%]であった。
白血球アフェレーシスが成功した104例のうち6例は、本試験で設定した規格を満たした製品を提供できなかった。

本品は、CD19キメラ抗原受容体(CAR)をコードする遺伝子を患者自身のT細胞に導入したCAR発現生T細胞を構成細胞とする。本品に遺伝子導入されるCARは、CD19を発現した細胞を認識すると、導入T細胞に対して増殖、活性化、標的細胞に対する攻撃及び細胞の持続・残存に関する信号を伝達する。本品のこれらの作用により、B細胞性急性リンパ芽球性白血病、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、及び濾胞性リンパ腫といったB細胞性腫瘍に対し抗腫瘍効果を示すと考えられる。

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